歌舞伎町でシガーバーの開業手続きを代行しました。
令和6年11月初旬
新宿区歌舞伎町でシガーバーの開業を予定されている法人様より必要な手続きを代行して欲しいとのご依頼をいただきました。
シガーバーといっても葉巻やたばこの愛好家が集まって喫煙とお酒を楽しむというようなバーではなく、単に店内での喫煙が可能なたばこを吸えるバーといった感じのお店です。
2020年4月より全面施行された改正健康増進法によって飲食店内は原則として全面禁煙が義務付けられています。
店内を全面喫煙可能とするためには喫煙目的施設としなくてはなりません。
喫煙目的施設とする要件は
・たばこの対面販売をしていること
・通常主食(米飯、菓子パン以外のパン類、麺類、ピザ、お好み焼きなど)と認められる食事を主として提供していないこと
以上の2点になります。
たばこの対面販売をするためには「たばこの小売販売許可」を取得するか「たばこの出張販売許可」手続きを行い当該店舗をたばこの出張販売先とするという手段があります。
「たばこの小売販売許可」は取得するための要件が厳しいため、ほとんどの場合は「たばこの出張販売許可」を利用して店内でたばこの対面販売をすることになります。
参考リンク▶たばこの小売販売業の許可
申請先は日本たばこ産業(株)東京支社許可担当になります。
郵送での申請となります。
通常、たばこの出張販売許可申請から1~2週間程度で現場検査の日程調整の連絡がJTの担当者様から入ります。
現場検査から1ヵ月弱程で許可が下ります。(標準処理期間は申請書を受理した日の属する月の末日から2月以内となっています)
現場検査は店内の内装工事が終わていない段階や、まだ工事に着手していないスケルトン状態でも受ける事が可能ですので、
開業予定日が決まっている場合等は余裕をもって早めに申請することをお勧めいたします。
今回のケースでは申請の9日後に現場検査となり、その27日後に許可が下りました。
シガーバーを開業するにあたり他にも「飲食店営業許可」と「深夜営業の届出」が必要になります。
「深夜営業の届出」は深夜0時以降に酒類の提供をメインとする営業を行う場合に必要です。
飲食店営業許可申請も内装工事が終わっていなくても行えます。
ただし、現場検査は厨房設備、トイレの手洗い設備が完備された状態で受けなくては許可が下りません。
参考リンク▶飲食店営業許可取得
1日でも早く許可を取得できるよう、工事完成前に申請を行い、工事完了予定日もしくはその翌日に現場検査を受けられるように調整します。
申請先は新宿区保健所になります。
初めて行く人にとっては少しわかりずらいかもしれません。
上記写真の左手の入り口では無く、正面の入り口から入ってこの建物の3階、衛生課になります。
この奥になります。
今回の提出書類
・営業許可申請書
・施設の構造及び設備を示す図面
・法人登記事項証明書(コピー)
・誓約書
※申請手数料18,300円
誓約書は飲食店営業許可申請時に食品衛生責任者の資格を有する物が定まっていない場合に必要で、許可取得後3か月以内に食品衛生責任者を立てますという旨のものになります。
保健所でひな形の用意がありますのでそこに署名等をします。
申請後、内装工事の完成日にあわせて現場検査の日程調整を行い保健所の手続き完了です。
その後の現場検査でも問題は無く、翌平日付で許可が下りました。
許可書の発行は5営業日後になります。
保健所の現場検査の立ち会いが終わりそのまま深夜営業の届出で提出する図面作成のための計測を行います。
こちらで作成する書類と、依頼者様でご用意していただく書類がそろったら深夜営業の届出をします。
参考リンク▶深夜営業開始届出
届出先は新宿警察署です。
住所:〒160-8314東京都新宿区西新宿6丁目1番1号
電話:03-3346-0110
新宿警察署は他の警察署と比べて特殊な警察署です。
まず、通常ですと深夜営業の届出をする際には警察署への予約が必要になりますが、新宿警察署では予約不要です。
また、行政書士が委任状をいただいて代理で届出をする場合は、本人の出頭は不要としている警察署がほとんどですが新宿警察署は本人の出頭が必要です。
そして出頭した本人は詳しくは後述しますが、自筆で誓約書を書かされます。
届出の流れとしましてはまず提出書類の確認をしてもらいます。
今回の提出書類
①「深夜営業開始届出書」
②「営業の方法を記載した書類」
③各種図面(営業所平面図、営業所求積図、客室等求積図、音響・照明図)
④住民票(本籍地が記載されているもの)
⑤飲食店営業許可書のコピー
⑥定款のコピー
⑦会社の登記簿謄本
⑧メニュー料金表
⑨賃貸借契約書のコピー
⑩営業所の周囲の略図(地図)
⑪委任状
⑪の委任状については本人が出頭しているので原則として不要です。
しかし、届出は受理されたものの後々から「〇〇の書類も提出して欲しい」というように警察署の意向で追加書類の提出を求められるような事が極稀にあります。
そのような時に委任状を提出していないと本人に対応していただくしかありませんが、委任状を提出していればこちらで対応する事も可能ですので私は念のため委任状をいただいております。
上記の書類の内容が確認され問題ないと最後に誓約書を書く事になります。
誓約書の内容を以下に記します。
誓約書 営業所名称 〇〇〇〇 営業所所在地 東京都新宿区〇〇〇※丁目※番※号 〇〇ビル※階※室 営業者氏名 〇〇 〇〇(法人の場合は社名と代表者氏名) 営業者住所 〇〇〇〇 電話番号 この度、私は上記営業所及び所在地において、深夜酒類提供飲食店営業を行うにあたり、下記の事項を誓約します。 1.営業所内のおいて、客の席に同席し、話し相手になったり、水割り等の酒類を作ったり、カラオケ等でデュエットするいわゆる接待行為、又は、接待行為と疑われる行為をしない。 2.営業所内設置中のカウンターにおいて、客の前に継続的に立ち、話し相手になったり、水割り等の酒類を作ったりする接待行為、又は、接待行為と疑われる行為をしない。 3.卑猥行為等の営業をしない。 4.従業員による客引き行為、又は客引き行為と疑われる行為をしない。 5.フリーの客引きにより紹介を受けた客を営業所内にいれない。 6.営業所内において、設置を禁止されている装置(スライダックス等)を設置しない。 設置のある場合は、速やかに撤去する。 7.暴力団関係者及び周辺者との関係を持たない。 上記誓約事項及び各種法令を遵守し、適正営業をするとともに当該営業において、違法行為があった場合は、いかなる処分をも受けるこをここに誓約します。 警視庁新宿警察署長殿 令和〇年〇月〇日 営業者 〇〇〇〇 |
以上の基本的には全文を自書しなくてはなりません。
この誓約書を提出すると、深夜営業の届出の受領書が交付されこれで手続き終了となります。
届出が受領された10日後から深夜営業を行えます。
今回の手続きはこれで終了です。
ありがとうございました。