デリヘルを開業【届出・手続き】行政書士が解説
風営法手続きを専門にしている当事務所では、デリヘルの開業届出(無店舗型性風俗特殊営業営業開始届出)を68、000円(税込)で代行しております。
デリヘル(派遣型ファッションヘルス)は許可制ではなく届出制ですのでデリヘルを開業するためには、事務所を管轄する警察署に無店舗型性風俗特殊営業営業開始届出を行わなければなりません。届出をした10日後から営業を開始することができます。デリヘルの開業から開業後までの流れに沿ってポイントを解説していきます。
目次
事務所と待機所
無店舗型性風俗特殊営業といっても、接客するための店舗が無いという意味ですので、営業の本拠となるべく「事務所」を設ける必要があります。
デリヘルの事務所には、他の風俗営業などに規定されているような場所的要件や面積要件はなく、場所や広さの制限はありません。
事務所と違い、必須ではありませんが、キャストの休息や待機する場所として「待機所」を設けることも可能です。
待機所にも場所的要件や面積要件はなく、また事務所と離れた場所であっても、事務所と隣接した場所や事務所と同一のフロアをパーテーションなどで区分けして待機所として利用することも可能です。
警察署によっては実査があります。営業開始届出をした後に日時をお互いで調整したうえで警察が事務所や待機所を確認しに来ます。
ほとんど形式的な確認で、きちんとした書類を提出していれば全く問題はありません。
提出書類には、電話番号やホームページを使用する場合はそのアドレスの記入が必要になりますので、これらもあらかじめ準備しておいて下さい。
※派遣型ファッションヘルス営業を装いつつ、レンタルルーム、ラブホテル等を営む者と提携して個室を確保しているような場合は「店舗型性風俗特殊営業」に該当します。
物件所有者の「使用承諾書」が必要
先に事務所を設ける必要があると述べましたが、ここで一つ重要なポイントがあります。
自己所有の物件であれば基本的に問題ありませんが、ほとんどの場合は賃貸物件を使用することになると思います。
賃貸物件であれば、登記簿上の所有者からデリヘルの事務所として使用することを承諾をしてもらう必要があり、承諾をもらったことを書面にして届出時に添付書類として提出しなくてはなりません。
所有者によっては、デリヘルとしての使用を承諾してくれないようなこともあり得ますので、物件を契約する前に不動産屋を介してしっかりと確認しておいて下さい。
「風俗営業 物件」「デリヘル 不動産屋」等のワードで検索すると風俗営業やデリヘルで使用できる物件を扱う不動産屋がいくつもヒットしますので条件の合う物件を探して下さい。
ややこしいのですがひとつ気を付けて欲しいのがデリヘルは「風俗営業」ではなく「性風俗特殊営業」という点です。
「風俗営業」に使用可能でも「性風俗特殊営業」は不可という物件もたくさんあります。
また、事務所以外に待機所を設ける場合は、待機所についても「使用承諾書」の提出が必要になりますので、こちらも契約前に確認しておいて下さい。
事務所を設け、必要な場合は待機所をも設けたら、必要書類を揃えて所轄の警察署へ届出をします。
提出書類の準備
必要書類
・営業開始届出書
・営業の方法を記載した書類
・事務所の使用について権原を有することを疎明する書類(使用承諾書・賃貸契約書の写し・建物に係る登記事項証明書など)
・住民票(本籍記載のもの。外国人にあっては国籍記載のもの)
・事務所の平面図
待機所を設ける場合の追加書類
・待機所の使用について権原を有することを疎明する書類(使用承諾書・賃貸契約書の写し・建物に係る登記事項証明書など)
・待機所の平面図
法人申請の場合の追加書類
・定款
・法人登記事項証明書
・役員全員の住民票(本籍記載のもの。外国人にあっては国籍記載のもの)
その他
・申請手数料3,400円
・警察署によっては上記以外の書類の提出を求められる場合もあります。事前に確認しておいて下さい。
提出書類の解説
・営業開始届出書
こちらからPDFファイルをダウンロードできます こちらからWordファイルをダウンロードできます
上記から書式をダウンロードして、必要事項を記載してください。
記載例その1
記載例その2
・営業の方法を記載した書類
こちらからPDFファイルをダウンロードできます こちらからWordファイルをダウンロードできます
上記から書式をダウンロードして、必要事項を記載してください。
記載例その1
営業の方法の書式には「その1」と「その2」の2枚ありますが、デリヘルの場合「その2」は記載の必要はありません。
・事務所の使用について権原を有することを疎明する書類
使用承諾書・賃貸契約書の写し・建物に係る登記事項証明書などが上記書類に該当します。
待機所を設ける場合は待機所の使用について権限を有することを疎明する書類も必要になります。
・使用承諾書
こちらからPDFファイルをダウンロードできます こちらからWordファイルをダウンロードできます
こちらで必要事項を記載したうえで、所有者にも必要事項を記載してもらいます。
記載例
・賃貸契約書の写し
最初の2~3ページ目までの必要事項の記載された部分のコピーだけで良い警察署も、重要事項説明も含む全ページのコピーが必要な警察署もあります。事前に確認しておくと良いです。
・建物に係る登記事項証明書
法務局で取得できます。郵送による請求も可能です。
・住民票(本籍記載のもの。外国人にあっては国籍記載のもの)
法人申請の場合は役員全員分の住民票が必要です。
役所で取得できます。郵送による請求も可能です。
マイナンバーカードを利用すればコンビニでも取得も可能です。
・事務所の平面図
待機所を設ける場合は待機所の平面図も必要です。
法人申請の場合の追加書類
・定款
コピー、印刷したもので結構ですが、原本証明が必要です。
・法人登記事項証明書
法務局で取得できます。郵送による請求も可能です。
届出~営業開始
必要書類の準備ができたら、所轄の警察署へ届出を行います。届出は予約制の場合が多いのであらかじめ確認のうえ必要であれば予約をしておきましょう。
届出時は提出書類の確認や、営業における注意事項の説明などで20分前後はかかることが多いです。
問題がなく無事に届出が受理されれば、その10日後以降から営業が可能です。
また、届出から通常1~2週間前後で「届出確認書」(正式には「無店舗型性風俗特殊営業届出確認書」)が交付されますが、状況により交付が遅れることもあります。。この「届出確認書」はいわば許可証みたいなもの(そもそもが許可制ではないので許可証ではありませんが)で、事務所に備え付けるとともに、関係者から請求があったときは提示しなければなりません。
届出確認書
コピーやスキャンすると「複写」の文字が浮かびます。
「届出確認書」がまだ交付されていなくても届出から10日以降からは営業が可能ですが、ここで重要なポイントがあります。
それは、雑誌やネット広告・求人広告等をする場合には、広告業者などから「届出確認書」の提示を求められることです。
開業に先駆けて求人などの広告をしておきたい場合でも「届出確認書」が交付されていないと広告業者がうけつけてくれません。
ですから、営業を開始したい日の10日前に届出をするというより、広告を出したい日の2週間位前に届出をするといった感じで、時間に余裕を持って届出することをお勧めします。
開業予定10日前に届出したのに「届出確認書」が交付されない為に開業準備が整わず、開業予定日に開業できなかったという話もありますのでご注意下さい。
※「届出確認書」の代わりに無店舗型性風俗特殊営業開始届出時の領収証(3,400円)の提示でも広告などを受け付けてもらえることが多いようです。
(一部加工してあります)
2重にホチキス止めしてあるものを外して2枚横並びにしたものです。
営業開始後
従業者、利用者(客)の年齢制限
デリヘル営業において、18歳未満の者を客に接する業務に従事させることはできません。また、18歳未満の者を客とすることもできません。
外国人雇用の制限
外国人を雇用する場合は、「日本人の配偶者」「永住者」「特別永住者」「永住者の配偶者」「定住者」のいずれかの在留資格を有している者でなければなりません。
従業者名簿の設置義務
従業者名簿とは、従業者の必要情報をリスト化したもので、営業者が作成、保管しておく義務があります。
テンプレートのダウンロードや詳しい解説は▶従業者名簿までお願いします。
リンク先は風俗営業の従業者名簿のページですが、性風俗特殊営業の場合も同様になります。
営業開始後の変更手続き
営業開始後、下記のような変更があった場合は、変更日から10日以内に「変更届」を提出する必要があります。
・個人の氏名、住所を変更した場合
・法人の名称、所在地、代表者及び役員の氏名、住所を変更した場合
・呼称、電話番号、メールアドレス、ホームページを追加、削除、変更した場合(▶呼称の追加の手続き)
・事務所・待機所を移転、追加、廃止した場合(▶事務所移転の手続き)
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