シガーバーを開業する【許可・手続き】行政書士が解説
シガーバーというと様々なタバコや葉巻を取りそろえた店舗で知識豊かなマスターがお客さんの嗜好に合ったものを提供してくれるというようなちょっとヘビーな感じのお店を想像される方も多いのではないでしょうか。
もちろんそのようなお店もありますが、多くのシガーバーは単にたばこも吸えてお酒も飲めるというライトな感じのお店です。
2020年4月より全面施行された改正健康増進法により飲食店内は原則禁煙となりましたので、店内を全面喫煙可能とするためには特別の手続きが必要です。
また飲食店営業許可や営業時間によっては深夜営業の届出も必要になります。
ここではシガーバー開業に必要な手続きを解説していきます。
目次
飲食店営業許可
飲食物を提供するので飲食店営業許可が必要になります。
許可申請先は営業所を管轄する保健所です。
各自治体によって「必要書類」「申請手数料」「許可までの日数」などに違いがありますので、
正確な情報はお店を管轄する保健所で確認してください。
ここでは一般的な飲食店営業許可取得までの流れを解説します。
①保健所に事前相談
主に、設備や構造に関する事前確認になりますので、施設の工事着工前であれば、施設の設計図面等を持参してください。
衛生的な管理運営をするため、施設ごとに食品衛生責任者を置く必要があります。
②飲食店営業許可申請
下記表の必要書類全てをそろえた上で、施設の工事着工前であれば、施設工事完成予定日の10日前位には提出してください。
営業許可申請書 | 1部 | 裏表両面に記入してください。 |
施設の構造及び設備を示す図面 | 2部 | 営業所の施設見取り図や設備・施設の詳細が必要です。 |
申請手数料 | 18,300円(港区は16,000円) | |
食品衛生責任者の資格を証明するもの | 1部 | 食品衛生責任者手帳や調理師免許等、食品衛生責任者講習の終了証のコピー |
貯水槽や井戸水を使用する場合は、水質検査成績書(取得後1年以内のもの) | 1部 | 賃貸物件の場合は、不動産会社やビル管理会社から入手できると思います。(コピー可) |
(法人で申請する場合) | 営業許可申請書に記載された法人番号により、その法人の存立を確認します。 そのため、営業許可申請書の法人番号を記載しない場合は登記事項証明書を添付してください。(コピー可) 自治体によって、法人番号の記載をしても登記事項証明書の提出が必要な場合もあります。 |
③施設検査日時の予約
営業許可申請の後、保健所職員が現場検査の為に店に来ます。その日時を予約します。
④施設検査
検査の際は営業者等が立ち会う必要がります。
保健所食品衛生監視員の検査を受け、施設の基準などに合致していればその場で、もしくは翌営業日付けで許可が下りる事が多いです。
施設基準に適合しない場合は、改善後に日を改め再検査となります。
⑤営業許可書交付
許可書が交付されるまでに1週間前後かかることが多いです。
更に詳しくは下記リンクをご参考にして下さい。
深夜営業届出
一般的に「深夜営業許可」と言われることが多いですが深夜営業は許可制ではなく届出制ですので「深夜営業届出」となります。
正確には「深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出」といいます。
バー営業を行う場合は「深夜営業届出」が必要と思ってらっしゃる方がいますが、「深夜営業届出」が必要なのは「深夜0時以降も酒類の提供をメインとする営業」を行うときです。
バー営業ですので「酒類の提供がメイン」にはなると思いますが「深夜0時まで」の営業であれば「深夜営業届出」は不要です。
届出先は営業所を管轄する警察署になります。
警察署によって提出を求められる書類が異なる場合がありますので、
事前に必要書類を確認しておいて下さい。
以下に提出書類を列記しますが「法定書類」は提出が必須になります。
提出書類
(法定書類)
・深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書
・営業の方法を記載した書類
・営業所の平面図
・住民票(本籍記載のもの。外国人にあっては国籍記載のもの)の写し
・法人の場合は、定款・法人登記事項証明書及び役員全員の住民票
(法定外書類)
・飲食店営業許可書のコピー(こちらの提出はほぼ必須)
・賃貸借契約書のコピー(こちらの提出はほぼ必須)
・物件所有者の使用承諾書
・メニュー料金表
・営業所の周囲の略図
・誓約書
上記以外にも状況によって様々な書類の提出が必要な場合があります。
届出をする際には事前に届出日時を予約してください。
届出が受理された10日後より深夜営業が行えます。
更に詳しくは下記リンクをご参考にして下さい。
たばこの出張販売許可
店内での喫煙、飲食(主食を除く:こちらは後で解説します)を両立させる為には喫煙目的施設でなければなりません。
喫煙目的施設ですのでたばこを吸うことができない20歳未満は立ち入り禁止です。
喫煙目的施設とするためには「たばこの小売販売業許可」もしくは「たばこの出張販売許可」を取得し「たばこの対面販売」を行う必要があります。
「たばこの小売販売業許可」は非常に要件が厳しいのでほとんどの場合は「たばこ出張販売許可」を取得することになります。
参考リンク▶たばこの小売販売業許可
ですのでここでは「たばこ出張販売許可」の注意点、取得までの流れを解説していきます。
まずひとつ大きな注意点です。
たばこの出張販売許可とはたばこ小売販売業者が、その営業所以外の場所に出張して小売販売業をしようとするときの許可のことで、例えば、町のタバコ屋(小売販売業者)さんが貴殿の経営する飲食店内でもタバコを販売する許可をもらうという形になります。
ですので許可をもらうのはあくまで町のタバコ屋さんであって、貴殿の経営する飲食店はたばこの出張販売先となるだけです。
出張販売元となるタバコ屋さんが廃業していまえば貴殿の経営する飲食店は出張販売先ではなくなってしまいます。
たばこの出張販売許可は貴殿の飲食店に与えられる許可ではありません。
たばこの出張販売先となることで店内でたばこの対面販売をすることができます。
たばこを対面販売し、喫煙をする場所を提供することを主たる目的とし、併せて客に主食を除いた飲食をさせる営業を行うことで喫煙目的施設となります。
喫煙木手施設は以下の技術的基準を満たし、義務を守る必要があります。
技術的基準
1.出入口において、室外から室内に流入する空気の気流が、0.2メートル毎秒以上であること。
2.たばこの煙が室内から室外に流出しないよう、壁、天井等によって区画されていること。
3.たばこの煙が屋外又は外部の場所に排気されていること。
※喫煙目的施設が複数のフロアを有する場合に喫煙禁止フロアがあるときは喫煙可能フロアから喫煙禁止フロアにたばこの煙が流出しない為の措置を講じる必要があります。
義務
・たばこの出張販売先であることがわかる書類の保管(例:たばこ出張販売にかかる業務委託に関する覚書のコピー)
・20歳未満立ち入り禁止の標識の掲示
・喫煙することができる場所である旨の標識の掲示
・喫煙目的室の設置の標識の掲示
・広告等を出す場合には「喫煙目的施設」である旨の表示
許可申請先はたばこの小売業者の住所地を管轄する日本たばこ産業株式会社(JT)の支社になります。
提出書類
・出張販売許可申請書
・たばこ出張販売にかかる業務委託に関する覚書
・同意書
・出張販売先の平面図
・誓約書(自動販売機を設置する場合)
書類提出後1~2週間程度で現場検査があります。
現場検査で問題がなければ通常1ヵ月前後で許可通知が届きます。
登録免許税3,000円を納付し、
同封された登録免許税領収証書提出書を申請先の日本たばこ産業株式会社(JT)の支社に郵送してください。
更に詳しくは下記リンクをご参考にして下さい。
行政書士杉並事務所ではたばこの出張販売許可を49,500円(税込)で代行取得いたします。 出張販売元となるたばこ小売業者もこちらで手配いたします。 |