風俗営業許可取得後の「変更承認申請」「変更届」と「廃業届」~風営法の手続き~
風俗営業の許可を取得した後に、申請内容に変更が生じた場合や、変更したい場合には警察署に手続きする必要があります。
変更の内容によって「変更承認申請」、「変更届」もしくは「廃業届」のいずれか手続きが必要かが決まります。
また、風営法とは全く関係ありませんが店内を喫煙可能にしたいというお問い合わせが多々ありますので最後に簡単に解説させていただきます。
目次
「変更承認申請」
「変更届」
「許可証の書換え」
「変更承認申請」
風俗営業者は、増築、改築その他の行為による営業所の構造又は設備の変更(軽微な変更を除く)をしようとするときは、あらかじめ都道府県公安委員会の承認を受けなければならないこととされており、具体的には下記の場合に「変更承認申請」の必要があります。
この規定に違反した場合、1年以下の懲役か100万円以下の罰金もしくはその両方という重い罰が科せられます。
・大規模の修繕又は大規模の模様替に該当する変更
・客室の位置、数又は床面積の変更
・壁、ふすまその他営業所の内部を仕切るための設備の変更
・営業の方法の変更に係る構造又は設備の変更
添付書類
以下の書類のうち、変更しようとする事項に係る書類を添付する必要があります。
・営業の方法を記載した書類
・営業所の使用について権原を有することを疎明する書類
・営業所の平面図及び営業所の周囲の略図
*警察署への申請手数料:9、900円
重要な変更をする場合には、事前に「変更承認申請」をし、受理されたたうえで変更工事を行い、工事完了後に実地検査を受け、問題が無ければ承認という流れになりますが、まず最初に、警察署に変更前、変更後の図面、資料を持参のうえ相談することをお勧めします。
参考リンク▶雀荘の変更承認申請を代行しました。
この手続きでもほとんどのケースで図面作成という非常に困難な作業を伴います。ご自身での手続きは厳しいと感じた方は、行政書士杉並事務所までご相談下さい。
「変更届」
風俗営業者は、営業許可申請の内容の変更、営業所の構造又は設備につき軽微な変更をしたときは、都道府県公安委員会に届出書を提出しなければならないこととされていおり、具体的には下記の場合に「変更届」が必要になります。
変更の内容 | 必要な手続き |
営業者の氏名又は住所 | 変更後10日以内の届出 |
営業所の名称 (営業所の名称、屋号変更の手続きについて詳しくはこちら) |
変更後10日以内の届出 |
管理者又は管理者の氏名若しくは住所 (管理者変更の手続きについて詳しくはこちら) |
変更後10日以内の届出 |
構造又は設備の軽微な変更のうち照明設備、音響設備又は防音設備に係るもの | 変更後10日以内の届出 |
法人の名称又は住所 | 変更後20日以内の届出 |
法人代表者の氏名又は住所 (法人代表者変更の手続きについて詳しくはこちら) |
変更後20日以内の届出 |
法人役員の氏名又は住所 (法人役員変更の手続きについて詳しくはこちら) |
変更後20日以内の届出 |
構造又は設備の軽微な変更(照明設備、音響設備又は防音設備に係るもの以外) | 変更後1か月以内の届出 |
*営業者そのものが変わる場合、営業所が移転する場合には「変更届」ではなく、新たに「営業許可」を取得する必要があります。
添付書類
以下の書類のうち、変更しようとする事項に係る書類を添付する必要があります。
・営業の方法を記載した書類
・営業所の使用について権原を有することを疎明する書類
・営業所の平面図及び営業所の周囲の略図
*「変更届」の届出には手数料はかかりません。
許可証の書換え申請
許可証の記載事項になっている営業者の氏名や名称、営業所の所在地、営業所の名称(屋号)などに変更が生じた場合には、「変更届」だけでなく「許可証の書換え」を申請する必要があります。
申請の際には変更があったことを証する書面を添付します。
「風俗営業許可証」の記載事項は「飲食店営業許可証」の記載事項とほとんど同じです。
保健所で「飲食店営業許可」の変更届出も必要になり、変更後の「飲食店営業許可証」のコピーを警察署へ提出します。
添付書類
変更内容 | 必要書類 |
営業者の氏名又は住所 (個人での営業の場合) |
戸籍謄本、住民票など |
法人の名称又は住所 (法人での営業の場合)
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法人の履歴事項全部証明書 |
営業所の屋号
|
*警察署への手数料:1,500円
事後連絡
以下の変更については原則として「変更届」の必要がありませんが、警察署への「事後連絡」をしておくことが望ましいとされています。
・軽微な破損個所の原状回復
・電球の交換程度の設備の更新
・ゲーム機のソフトのみの入れ替え(5号営業の場合)
・椅子やテーブルの位置や配置変更
*「事後連絡」に手数料はかかりません。
警察署や、変更の程度によっては「変更届」をするように指導される場合もあります。
「廃業届」(「返納理由書」)
風俗営業を廃業する場合には、廃業となった日から10日以内に「返納理由書」と「許可証」「管理者証」を提出しなければなりません。
この手続きを怠っていると30万円以下の罰金が科せられます。
!一般的に「廃業届」と呼ぶことが多く、当ホームページにおいても「廃業届」という表記をしていますが、手続きの際に提出するのは「廃業届」ではなく「返納理由書」になりますのでご注意下さい。
*「返納理由書」の手続きに手数料はかかりません。
「喫煙可能店」へ変更する「たばこ出張販売許可」
ここでは簡単に解説いたします。
くわしくは▶たばこ出張販売許可をご参考にしてください。
健康増進法において飲食店は「第2種施設」に該当し、原則として店内は禁煙になります。
そこで「たばこ出張販売許可」を受けた「たばこ小売店」の出張販売先となることで、「第2種施設」ではなく「喫煙目的施設」となり店内での喫煙を可能にすることができます。
「喫煙目的施設」の要件としては「たばこの対面販売」を行うこと以外にも「通常主食と認められる食事を主として提供しない」ことも必要になります。
行政書士杉並事務所ではたばこの出張販売許可を58,000円(税込)で代行取得いたします。 出張販売元となるたばこ小売業者を当事務所で手配することも可能です。 |