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杉並区で雀荘開業手続きを代行しました。(後編)

前編の続きになります。

 

 

 

上図のように壁とドアを設置いたしました。

勿論ですがドアノブ部分も保育所からの50mのライン(赤線)を超えない様にしなくてはなりません。

 

これで右側部分では風俗営業を行えるようになったかと言うと、まだそうはなっていません。

下図をご覧ください。

 

仮に、部屋を2つに区切る前のそもそもの入り口(ドア1)が右部分に設置されていて、建物外や共用部分から直接右部分へ入室できるような構造であれば、この段階で右部分で風俗営業許可を取得可能となります。

 

 

しかし、実際にはドア1は左部分に設置されているため、雀荘の営業所となる右部分へ入室するためには、極一部分ではありますが必ず左部分を経由しなければなりません。

 

この場合、左部分には雀卓の設置はせず、雀荘としての営業を全く行わなくて右部分の雀荘と一体の営業所とみなされてしまう恐れがあります。

 

 

 

「営業所」のあつかいについては風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準の第12-2に記されています。

営業所の意義「営業所」(法第3条第1項)とは、客室のほか、専ら当該営業の用に供する調理室、クローク、廊下、洗面所、従業者の更衣室等を構成する建物その他の施設のことをいい、駐車場、庭等であっても、社会通念上当該建物と一体とみられ、専ら当該営業の用に供される施設であれば、「営業所」に含まれるものと解する。

 

 

 

そして赤文字部分の「専ら」とは風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準の第5-3(2)に記されています。

令第2条中「専らこれらの各号に規定する興行の用に供するもの」とは、当該興行場において上演される興行が「専ら」同条各号に規定する興行であるものをいう。「専ら」とは、他の営業でも同様であるが、おおむね7割ないし8割程度以上をいう。

「専ら」とは「7~8割以上」という解釈になります。

 

 

右部分の営業所へ入室するために経由しなければならない左部分の面積は、7~8割以上などとは大きくかけ離れたせいぜい1~2割もあるかないかです。

 

となると、左部分は営業所には含まれないのではないかと考えたいところですが、そうもなりません。

 

 

営業所の用に供されるか否かというのは面積、人数、時間などひとつの要素だけでなく総合的に判断されることになります。

 

正直言って、非常に曖昧なルールですので、個人の解釈で判断してしまうのは危険です。

 

 

今回は何度も図面その他の資料を持って警察署へ相談に伺い、その都度警視庁の担当者とも情報を共有していただき問題無いかを確認してつつ手続きを進めていきました。

 

最終的には営業所まで所轄の警察署から2名、警視庁から1名の担当者にご足労いただきましたうえで、現場を見つつ色々とご相談させていただき、これなら大丈夫でしょうというところまで至りました。

 

 

その方法は、まず左部分は申請者様の賃貸借契約の範囲から除外し、貸主の元へ返す。

そして貸主の元へ返された左部分を、共用の休憩スペースとして当該ビル内の他のテナント利用者などを対象に開放する。

 

また共用の休憩スペースとして開放していることを他のフロアなどにも張り紙をして周知させる。

これらによって共用の休憩スペースとなった左部分が、雀荘を利用しない人達にも利用されることになり、雀荘との一体性が否定されることとなります。

 

なかなかに厳しい条件ではありますがこれ位までしないと、左部分が営業所に含まれないと確実に判断してもらうことはできないようです。

 

申請者様と物件の貸主様にもその形で了承していただき、覚書によって左部分は契約当初から賃貸契約の範囲に入っていなかったということになりました。

 

 

これでやっと「保全対象施設」の問題は解決となります。

 

 

早速、雀卓をはじめその他の設備を配置していただき、図面作成のための計測を行います。

 

通常、客室に該当する部分に冷蔵庫が置いてありました。

この場合、冷蔵庫の利用の仕方によって、この冷蔵庫を設置してある床部分を客室とするか、その他の部分とするかが決まります。

 

冷蔵庫を利用するのが従業員であるならばこの冷蔵庫の設置部分客室では無く、その他の部分となります。

逆に、冷蔵庫を客が自由に利用する場合は客室部分となります。

 

今回は前者の利用方法でしたのでその他の部分という扱いになりました。

 

それ以外には特に問題もなく無事計測は終了です。

 

「保全対象施設」の問題があり営業所の面積が当初の半分位になってしまいましたが、やや窮屈な感じながらも当初に予定していた台数の雀卓が設置できたので少し救われました。

 

計測結果を基に図面、その他の書類を作成し、申請者様にご用意をお願いしていた書類をそろったところで風俗営業許可申請となります。

 

 

 

風俗営業許可申請

申請先は杉並警察署です。

 

杉並警察署

住所:〒166-0015東京都杉並区成田東4丁目38番16号

電話:03-3314-0110

 

 

今回の提出書類

①許可申請書

②営業の方法を記載した書類

③営業所の使用について権原を有することを疎明する書類(使用承諾書・賃貸契約書・建物の登記事項証明書等)

④営業所の平面図等(営業所平面図、営業所求積図、客室等求積図、音響・照明図)

⑤営業所の周囲の略図

⑥住民票(申請者、管理者の双方必要)

⑦身分証明書(申請者、管理者の双方必要)

誓約書

 ・人的欠格事由に該当しないことを誓約する書面

 ・管理者が誠実に業務を行うことを誓約する書面

 ・管理者が人的欠格事由に該当しないことを誓約する書面

⑨管理者の写真2枚

⑩料金表

⑪委任状

⑫左部分が共用の休憩スペースとして利用されていることを疎明する写真

⑬保全対象施設からの距離を測定した実測図

 

以上になります。

 

③営業所の使用について権原を有することを疎明する書類(使用承諾書・賃貸契約書・建物の登記事項証明書等)

の賃貸借契約書には、左部分を賃貸借契約から除外した時の覚書も添付する必要があります。

 

 

⑥住民票(申請者、管理者の双方必要)

⑦身分証明書(申請者、管理者の双方必要)

は申請者様が管理者も兼任しますので、住民票も身分証明書も各1通ずつで問題ありません。

 

⑫は左部分にテーブル、イスを配置し休息スペースとして利用できる状態にした写真と、それを各フロアに周知するための張り紙の写真になります。

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