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目黒区で雀荘を開業する「必要な許可・手続き」

長年にわたる業界の活動に加え、加熱するMリーグ人気や、様々なオンライン麻雀ゲームの登場で麻雀へ興味を持つ人や、麻雀を本格的に始めてみようという人が増えているのではないでしょうか。

「健康麻雀」「競技麻雀」などといった言葉も広がって、子供同士が麻雀教室で勉強会をする、若い女性同士が雀卓を囲むというような光景を目にすることもあります。

世間の、麻雀、雀荘に対するイメージも大きく変わってきているように思いますが、残念ながら雀荘は未だ「風俗営業」という枠に入ったままであり、「風営法」によって様々な規制がされています。ですので雀荘を営業するためには「風俗営業」の許可を取得しなければなりません。ここでは「風俗営業」の許可取得までの流れや注意点をなるべくわかりやすく解説してきます。

 

目次

飲食店営業許可が必要

風俗営業許可取得までの流れ

3つの要件を満たす

 ①人的要件

 ②場所的要件

 ③構造・設備的要件

必要書類の準備

雀荘の利用料金の規制

許可申請

実査(構造検査)

 「立ち入り18禁」「飲酒20禁」「料金表」の掲示

 従業者名簿の用意

営業許可

所轄の警察署

 

飲食店営業許可が必要

ほとんどの雀荘では飲食物の提供を行なっています。お茶やコーヒー、カップ麺程度の提供であっても「飲食店営業許可」が必要になります。

雀荘に必要な「風俗営業許可」とは別の許可ですが、飲食物の提供をする雀荘であれば「飲食店営業許可書」のコピーを提出しなくてはなりませんので、事前に取得しておく必要があります。

「飲食店営業許可」の取得方法についてはこちら▶目黒区で飲食店を開業する「飲食店営業許可」取得の手続きで詳しく解説してますのでご参考にしてください。

もちろん、飲食物の提供は一切しないという場合は「飲食店営業許可」は不要です。

 

 

 

風俗営業許可取得までの流れ

風俗営業の許可を取得するためには「人的要件」「場所的要件」「構造・設備的要件」の3つの要件を満たす必要があります。

また、風俗営業には管理者の設置義務があります。▶風俗営業の管理者とは?

そのうえで必要な書類をそろえて、所轄の警察署に許可申請を行います。最後に実査(構造検査)といって浄化協会という組織の人と、警察官が実際にお店に来て問題が無いか検査します。この検査で問題が無く、提出書類にも不備が無ければ、申請から55日以内に許可が下りるというのが大まかな流れになります。

 

 

 

3つの要件を満たす

先にも述べた通り「人的要件」「場所的要件」「構造・設備的要件」の3つの要件を満たさない限り風俗営業の許可を取ることはできません。逆に言えばこの3つを満たせば最終的には必ず許可は取れます。

また、雀荘は風営法の第2条第1項第4号に定めがあることから、「4号営業」とか「4号許可」などと呼ぶことがあります。

警察署などでも当たり前に使われる言葉なので、一応覚えておくと良いでしょう。(ちなみにキャバクラやホストクラブなどは1号に定めがあるので「1号営業」「1号許可」と呼びそれぞれを区別します)

 

ここから4号許可に必要な3つの要件を細かく解説していきます。

 

①人的要件

申請者が次のいずれかの欠格事由に該当する場合は許可が受けられません。申請者が法人の場合は、役員のうちだれか一人でも該当すると許可が受けられません。

管理者も欠格事由に該当していると許可が受けられませんので、管理者選任の際は欠格事由に該当していないことを確認して下さい。

 

欠格事由

破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

1年以上の懲役もしくは禁錮の刑に処せられて、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過し

 ない人

無許可風俗営業、刑法の猥せつの罪、売春防止法、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律、職業安

 定法、出入国管理及び難民認定法、労働基準法、児童福祉法違反で1年未満の懲役もしくは罰金の刑に処せられて、その執行を終わ

 り、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない人
集団的に、又は常習的に暴力的不法行為等を行うおそれのある者
アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
心身の故障により風俗営業の業務を適正に実施することができない者
風俗営業の許可を取り消されて5年を経過しない者
営業に関して成年者と同一の能力を有しない未成年者

など

 

その他、風営法第4条に非常に細かく定められていますが、今までに逮捕歴が無く、交通違反以外で罰金を支払ったことが無い人ならば問題ありません。

また、申請人が外国人の場合は次のいずれかの在留資格が必要になります。

「日本人の配偶者等」「永住者」「特別永住者」「永住者の配偶者等」「定住者」「経営・管理」

 

 

②場所的要件

雀荘はどこでも営業ができるわけではなく、営業ができる場所には「用途地域による制限」と「保全対象施設からの距離の制限」の2つの制限があります。

 

用途地域による制限

用途地域とは、地域ごとに建築できる建物の種類、用途の制限を定めたルールのことです。

「営業所の場所(市区町村名)」+「用途地域」で検索すれば「用途地域マップ」というのが出てくると思います。

 

用途地域に「住居」という文字が入っている下記8種類の地域(住居集合地域)では、風俗営業をすることはできません。

「第一種低層住居専用地域」

「第二種低層住居専用地域」

「第一種中高層住居専用地域」

「第二種中高層住居専用地域」

「第一種住居地域」

「第二種住居地域」

「準住居地域」

「田園住居地域」

「近隣商業地域」及び「商業地域」に隣接しており、尚且つ、これらの地域からの距離が20メートル以下の区域であれば、「第2種住居地域」又は「準住居地域」でも営業可能です。

 

保全対象施設からの距離の制限

「保全対象施設」から一定の距離内にある場所では風俗営業はできません。

東京都では学校、病院、診療所、児童福祉施設、図書館が「保全対象施設」です。都道府県条例によって定められますので、地域によって異なることがあります。

また、営業所がある地域によって「保全対象施設」との制限距離が変わってきます。

 

 

 

 

 

③構造・設備的要件

次の各要件を満たしていないと許可を受けることができません。

 

客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと

 おおむね1mを超える間仕切りや衝立、観葉植物などを設けないようにしましょう。

 透明なガラス板や水槽などでも1mを超えるような物は撤去を命じられる場合もあります。

 

・善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。 

 

・客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。

 個室等を設ける場合に、個室のドアに鍵をつけてはいけません。

 

・営業所内の照度が10ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。

 照度の計測は原則として、雀卓上やカウンター上の一番暗い部分で行います。

 スライダックス(調光設備)の設置は認められません。

 

・騒音又は振動の数値が条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。

 

3つの要件は以上になります。次に必要書類について解説していきます。

 

 

 

必要書類の準備

必要提出書類等一覧(警察署によって扱いが違う場合もあります。何を提出すべきかをしっかり事前確認して下さい。)

・許可申請書

・営業の方法を記載した書類

・営業所の使用について権原を有することを疎明する書類(使用承諾書・賃貸契約書・建物の登記事項証明書等)

・営業所の平面図等(営業所平面図、営業所求積図、客室等求積図、音響・照明図)

・営業所周辺の概略図

・住民票(申請者、管理者の双方必要)

・身分証明書(申請者、管理者の双方必要)

・定款及び登記事項証明書(法人の場合)

・誓約書

 ・人的欠格事由に該当しないことを誓約する書面

 ・管理者が誠実に業務を行うことを誓約する書面

 ・管理者が人的欠格事由に該当しないことを誓約する書面

・管理者の写真2枚

・飲食店営業許可証のコピー

・メニュー表

・入居概況説明図

・1階概略図

・入居階概況略図

・営業時間を遵守することを誓約する書面

・申請手数料24,000円(現金納付)

*営業所の平面図等は状況に応じてA3の用紙でも構いませんが、他の作成書類はA4で統一して下さい。

 

必要書類の書き方など詳しい説明は▶必要書類の説明をご参考にして下さい。

 

 

行政書士杉並事務所は風営法に関する手続きを専門に迅速、格安で代行してます。お困りな時はお気軽にご相談下さい。料金表

 

 

 

雀荘の利用料金の規制

風営法では雀荘の利用料金(場代)の上限を規制しています。

 

客1人当たりの時間を基準として利用料金を計算する場合

全自動式の麻雀台 1時間につき600円(税別)以下

その他の麻雀台 1時間につき500円(税別)以下

 

麻雀台1台につき時間を基準として利用料金を計算する場合

全自動式の麻雀台 1時間につき2、400円(税別)以下

その他の麻雀台 1時間につき2、000円(税別)以下

 

 

 

許可申請

3つの要件を満たし、必要書類が揃ったら所轄の警察署へ許可申請をします。

申請は予約制の所が多いので事前に確認しておきましょう。

風俗営業許可を取得するためには実査(構造検査)を受けなければなりません。

申請手続きが済んだら、実査の日程を予約します。申請から早くても1週間、ほとんどの場合2週間程度後になります。

 

 

 

実査(構造検査)

実査とは、浄化協会や警察署の人が実際に営業所に訪れ、構造設備等に不備はないか?提出書類と違うところは無いか?の確認や、風俗営業をしていくうえでの注意点の説明等を行うことです。

 

実査までの準備

・店舗の入口に「18歳未満立ち入り禁止」の掲示

・店内に「20歳未満のお客様への酒類提供はいたしません」という掲示

ホームセンターやネット通販で、プレートやシールが販売されてます。立ち入り18禁、飲酒20禁という内容であれば、一言一句決められている訳ではありませんので気に入ったデザインのものを購入または自作して下さい。

 

・店内の客の見やすいところに料金表の掲示

料金表を店内の見やすいところに掲示しておいて下さい。

飲食物の提供をする場合は、飲食物のメニュー表も同様に掲示しておいて下さい。申請時は仮のメニューでも大丈夫ですが、実査時には実際に営業に使うものを掲示しておいて下さい。

 

・従業者名簿の用意

従業者名簿とは、従業者の必要情報をリスト化したもので、風俗営業者が作成、保管しておくものです。

法定様式はありませんが、必須の記載事項が定められていますのでテンプレートを使用することをお勧めします。

実査の時点では採用が決まっておらず従業者がいないような場合は、未記入の用紙だけでも準備しておいた法が無難ですが、

パソコンによる管理も認められていますのでその場合は、いつでも表示、印刷できるようにしておいて下さい。

試験的な採用や短期間の採用であっても名簿の作成が必要で、従業者の退職後3年が経過するまでは、名簿を保存しておかなくてはいけません。

客に接する業務を行う従業者については、生年月日、国籍を法定の書類により確認し、その写しを保存しておかなくてはなりません。

以下に、「従業者名簿」のテンプレートを用意しておきます。

こちらからPDFファイルをダウンロードできます   こちらからwordファイルをダウンロードできます  

 

従業者名簿についてもっと詳しくは▶従業者名簿をご参考にして下さい。

 

 

実査は店舗の規模にもよりますが、1時間はかかると思って下さい。

実査が終わると、あとは許可か不許可かの連絡を待つだけです。

提出書類に不備がなく、実査でも問題がなければ、申請から55日以内に許可がおります。

(この55日は標準処理期間と呼ばれ、原則として土日祝日は含まないとされていますが、実務では土日祝日も含む55日以内で処理される場合が多いです。気になる方は警察署に確認して下さい。)

 

 

 

営業許可

許可の連絡がきたら、その日付と許可番号をメモして保管しておいてください。

許可から営業許可証の発行までは10日前後かかってしまいますので、許可証が発行される前に営業を開始する場合はこのメモが許可を受けている証拠になります。万が一にも無許可営業を疑われないために重要です。

営業許可証が発行されたら、原本を営業所の見やすい場所に掲示してください。許可証の掲示義務違反は30万円以下の罰金となりますのでご注意下さい。

また、営業許可証の内容に変更が生じた場合や、廃業する場合にも手続きが必要になります。

くわしくは▶風俗営業許可取得後の「変更承認申請」「変更届」と「廃業届」をご参考にして下さい。

 

 

 

所轄の警察署

「風俗営業許可」の窓口は地域によって、目黒警察署碑文谷警察署のいずれかになります。

目黒警察署

所在地:〒153-0061東京都目黒区中目黒2丁目7番13号
電話:03-3710-0110(代表)

 

管轄区

  • 上目黒1丁目から5丁目
  • 大橋1丁目、大橋2丁目
  • 青葉台1丁目から4丁目
  • 東山1丁目
  • 東山2丁目(26番の一部(自衛隊三宿駐とん地部隊構内)を除く)
  • 東山3丁目
  • 駒場1丁目から4丁目
  • 中目黒1丁目から5丁目
  • 三田1丁目、三田2丁目
  • 目黒1丁目から4丁目
  • 下目黒1丁目から6丁目
  • 中町1丁目、中町2丁目
  • 中央町1丁目(1番)
  • 中央町2丁目(26番を除く)
  • 祐天寺1丁目、祐天寺2丁目
  • 五本木1丁目、五本木2丁目
  • 五本木3丁目(26番から33番を除く)

 

 

碑文谷警察署

所在地 〒152-0003東京都目黒区碑文谷4丁目24番17号
電話:03-3794-0110(代表)

 

管轄区

  • 碑文谷1丁目から6丁目
  • 鷹番1丁目から3丁目
  • 五本木3丁目(26番から33番)
  • 中央町1丁目(1番を除く)
  • 中央町2丁目(26番)
  • 目黒本町1丁目から6丁目
  • 原町1丁目から2丁目
  • 洗足1丁目から2丁目
  • 南1丁目から3丁目
  • 柿の木坂1丁目から3丁目
  • 東が丘1丁目から2丁目
  • 八雲1丁目から5丁目
  • 平町1丁目から2丁目
  • 中根1丁目から2丁目
  • 大岡山1丁目
  • 大岡山2丁目(10番の一部、目黒線敷地以南東京工業大学構内を除く)
  • 緑が丘1丁目から3丁目
  • 自由が丘1丁目から3丁目

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