デートクラブを開業する【許可・手続き】行政書士が解説
デートクラブ（交際クラブ）とは「客と他の異性の客との間における対価を伴う交際を仲介する」業態で、もう少し簡単に言えば男性客と女性客のデートの機会を設けその対価を得るという業態になります。
デートクラブは風営法の規定では無く地域によって都道府県の条例が施行されおり東京都では「東京都デートクラブ営業等の規制に関する条例」により様々なルールが定められています。
東京都内において営業所又は事務所を設けてデートクラブ営業を営む場合は、営業を開始しようとする日の10日前までに、営業所又は事務所を管轄する警察署（公安委員会）に届出なくてはなりません。
ここではデートクラブ（交際クラブ）を開業するために必要な手続き、注意点などについて行政書士が解説していきます。
目次
「営業所方式」と「事務所方式」
デートクラブの営業形態には「営業所方式」「事務所方式」の2種類があり、どちらを選択することも可能ですが「営業所方式」には厳しい規制があり、新規でデートクラブを開業される方のほとんどが「事務所方式」での営業となってます。
「営業所方式」とは営業所（店舗）に直接お客さんが出入りする営業形態です。
「事務所方式」とは営業所（店舗）を設けず、お客さんが出入りしない営業形態です。
「営業所方式」の場合、以下の地域に営業所を設けることは出来ません。
①都市計画法における住居系地域（第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域内）
②営業所を中心とする半径200ｍ以内に学校（大学を除く）、児童福祉施設、図書館、病院、診療所（入院施設のある）がある地域
「事務所方式」には上記①②の規制はありません。
注意 デートクラブ営業の届出の際に「使用承諾書」の提出が必要になります。「使用承諾書」とは賃貸物件の所有者がその物件をデートクラブ営業に使用することを承諾したことを証する書面のことです。物件を契約する前に「使用承諾書」をもらえるかを確認しておいた方が良いでしょう。
届出の必要書類
【個人での営業の場合】
・デートクラブ営業開始届出書
・営業所の平面図及び営業所の周囲の略図
・住民票
・統括管理者（営業所等における業務の実施を統括管理する者）の住民票
・営業所等の使用権原を有することを疎明する書類（使用承諾書、賃貸契約書、不動産登記事項証明書）
【法人での営業の場合】
・デートクラブ営業開始届出書
・営業所の平面図及び営業所の周囲の略図
・住民票（法人役員全員分）
・統括管理者（営業所等における業務の実施を統括管理する者）の住民票
・営業所等の使用権原を有することを疎明する書類（使用承諾書、賃貸契約書、不動産登記事項証明書）
・法人登記事項証明書
・定款
※統括管理者に選任する為に特別な資格等は必要ありません。
書類が揃ったら警察署へ届出ます。ほとんどの警察署が届出の際は事前の予約が必要になりますので確認しておきましょう。
届出が受理された10日後からデートクラブ営業を行うことができます。
広告、宣伝の規制
以下に掲げる場所を除き、デートクラブ営業の営業所の名称、所在地若しくは電話番号その他の当該営業に関する事項に係る広告物を表示したり、デートクラブ営業の営業所の名称等に係る広告を記載した文書等を配置してはいけません。
①風営法第2条第1項に規定する風俗営業(同項第5号の営業を除く)、同条第6項に規定する店舗型性風俗特殊営業及び同条第9項に規定する店舗型電話異性紹介営業に係る営業所
②東京都青少年の健全な育成に関する条例第8条の規定により指定された映画等を上映し、又は上演する興行場
③デートクラブ営業に係る営業所
禁止行為と義務
デートクラブ営業者は以下の行為をしてはいけません。
①青少年を客とすること
②青少年を客に接する業務に従事させること
従業員名簿の備え付け
営業所又は事務所を設けた場所ごとに、従業員名簿を備え、これに当該デートクラブ営業に係る業務に従事する者の以下の事項を記載しなければならない。
・氏名
・生年月日
・住所
・性別
・採用年月日
・従事する業務の内容
・退職（死亡を含む）年月日及びその自由
ただし、営業所又は事務所を設けた場所ごとに、労働基準法第107条に規定する労働者名簿を備え付けている場合は、これを従業員名簿に代えることがでます。
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