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遺言とは?【効力、書き方・作成方法】

遺言(ゆいごん、いごん)とは、被相続人(亡くなった方)が「自身の財産、権利、義務などを誰にどれだけ引き継ぐのか」についての最終意思を示したものです。

遺言がある場合、原則的には遺言の内容通りに遺産の分割が行われるので、相続手続きがスムーズで相続争いも起こりにくくなります。

また、遺言を残すことによって民法に定められた相続人(法定相続人)以外の人へも遺産を引き継ぐことが可能になります。

 

目次

遺言者の要件

遺言の種類

 自筆証書遺言

 公正証書遺言

 秘密証書遺言

自筆証書遺言と公正証書遺言の比較

遺留分

 

 

 

遺言者の要件

有効な遺言を作成する為には遺言者の要件を満たしていなければなりません。

遺言者の要件は以下の2つです。

遺言作成時に15歳以上であること。(民法961条

・遺言作成時に意思能力があること。(民法963条

 意思能力とは、自己の行為の結果を判断することができる能力のことで、遺言作成時に認知症などで意思能力が無かったと判断されると遺言が無効になってしまいます。

 

 

 

 

遺言の種類

民法には様々な遺言の形式が定められています。大きく分けると「普通の方式」と「特別の方式」があります。

「特別の方式」というのは、病気で生命が危険な状態だったり、乗っていた船が遭難したなどの特別な状況下での遺言です。▶遺言「特別の方式」

 

「普通の方式」というのは、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類で、一般的に「遺言」と言われるのはこちらのことではないでしょうか。▶遺言「普通の方式」

 

 

 

自筆証書遺言

全文を自筆によって書き残す遺言です。添付する財産目録は自筆したものでなくても認められます。

本文以外に日付の記入、署名、押印が必要です。

法務局での遺言書保管制度の創設によって非常に利用しやすくなりました。

詳しくはこちらをご参考にして下さい。▶自筆証書遺言の書き方

 

 

 

公正証書遺言

公正証書遺言とは公正証書という形で残される遺言で、遺言者が公証人に遺言内容を伝え、公証人が遺言書を作成します。

公証人が遺言を遺言者と2人以上の証人に読み聞かせ間違いが無いことを確認し、各自が署名押印し完成となります。▶公正証書遺言

 

 

 

秘密証書遺言

秘密証書遺言は遺言内容を誰にも知られることなく遺言の存在のみを公証人に証明してもらう遺言です。

遺言本文を自書する必要が無く、パソコン等で作成したり、誰かに代筆してもらうことも可能といったメリットもある反面デメリットも多く、実際に秘密証書遺言はほとんど作成されていません。▶秘密証書遺言

 

 

 

 

自筆証書遺言と公正証書遺言の比較

自筆証書遺言の法務局での保管制度を利用しない場合と利用した場合、公正証書遺言の3パターンを表で比較してみます。

自筆証書遺言 自筆証書遺言(保管制度利用) 公正証書遺言
作成方法 全文自書 全文自書 公証人が作成
費用 3、900円

遺産に応じた手数料

数万円~数十万円

証人 不要 不要 2人以上
保管方法 遺言者自身 遺言書保管所(法務局)

(原本は)

公証役場

検認手続き 必要 不要 不要
その他のメリット 手軽 安価な割にメリットが多い 信用性が高い
その他のデメリット 他と比較すると無効になる可能性が高い 自身で法務局に行く必要がある 費用、手間がかかる以外のデメリットは少ない

 

公正証書遺言は費用と手続きの負担が大きいことが一番のデメリットになります。▶公正証書遺言の作成費用

最低でも16,000円以上、多くのケースで50,000円以上は費用がかかります。

 

自筆証書遺言は手軽に作成、修正が行えるのがメリットですがデメリットも多くありますが、法務局での遺言書保管制度を利用することで自筆証書遺言のデメリットの多くを解消することが出来ます。

 

 

公正証書遺言と自筆証書遺言で、どちらが優先されるということもありません。

あくまで、より新しく書いた遺言内容が優先されますので、例えば公正証書遺言を作成した後に自筆証書遺言も作成したとすると、遺言内容が異なる部分については後から作成された自筆証書遺言の内容が優先されます。

 

 

自筆証書遺言にするか公正証書遺言にするか判断が難しいところかも知れませんが、どちらが良いものとは一概には言えませんので遺言者ご自身の考えでどちらかを判断して下さい。

 

 

 

 

遺留分

遺留分とは法定相続人(兄弟姉妹以外)に最低限保証された遺産取得分です。詳しくは▶遺留分とは?

遺留分に満たない遺産しか取得できなかった者はその不足分を請求(遺留分侵害額請求)することが出来ます。

遺留分を侵害する遺言内容であっても無効になるわけではありませんが、特別の事情が無い限りは遺留分の侵害が無いように配慮した遺言内容であることが望ましいと思います。

 

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