神奈川県で風俗営業許可を取得する【許可・手続き】行政書士が解説
キャバクラ、スナック、ガールズバーなどの社交飲食店を開業するにはどんな許可や手続きが必要なのか?全体流れや注意点等を解説していきます。(神奈川県内での手続きを前提としています。自治体によってルールが違いますのでご注意下さい)
参考リンク▶関内でキャバクラの開業手続きを代行しました。
目次
風俗営業とは?
風俗営業には主にキャバクラ、ホストクラブなどの社交飲食店と呼ばれるものや、雀荘、パチンコ店、ゲームセンターなどがあります。
これらの風俗営業を行うには、所轄の警察署を介して公安委員会の許可を取得する必要があります。
風俗営業と深夜営業との違い
違いは色々ありますが、大きな違いを3点説明します。
1 「接待行為ができるか、できないか」 接待を行う為には「風営法」の許可が必要になります。「深夜営業届出」では接待は行えま
せん。(「接待行為」とは?くわしくはこちら)
2 「営業時間の制限」 「風営法」では、風俗営業は深夜(午前0時から午前6時)の営業を禁止しています。ただし、一部制限が緩和されている地域では深夜1時まで可能です。(深夜1時まで営業可能な地域くわしくはこちら)
深夜営業には営業時間の制限はありません。
3 「開業までの期間」 神奈川県では風俗営業は原則として許可申請をした日から55日以内に許可が下ります。(標準処理期間)
ですので申請してから2か月近くも営業を始めることが出来ません。
深夜営業は届出をした日の10日後から深夜営業を始めることが出来ます。
まとめると、接待行為をする店は深夜0時(一部地域では午前1時)までしか営業できない。深夜営業をしたければ接待行為はできない。
また、風俗営業は開始するまで2か月以上かかるのに対して深夜営業は10日後から営業が出来る。ということになります。
風俗営業と深夜営業両方の手続きをして、深夜0時までは風俗営業を行い、深夜0時以降は深夜営業を行うという形態は現実的にはかなり難しいです。
ただし、風俗営業を例えば深夜0時で終了し店内の客を全て店外へ出しレジ締めをする等した後に、別の営業として深夜営業をするような場合には認められることもあります。
接待飲食店はもちろん、雀荘でもほとんどの場合が飲食物を提供すると思いますので、前提として「飲食店営業許可」の取得が必要になります。雀荘などで飲食物を提供しないのであれば不要です。
風俗営業の種類
風営法の第2条第1項の1号~5号に定められています。
1号 社交飲食店、接待飲食店「キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる
営業」 キャバクラ、ホストクラブ、ガールズバー・スナック(接待を行う場合)、料亭等
2号 低照度飲食店「喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた営業
所内の照度を10ルクス以下として営むもの」 カップル喫茶等
3号 区画席飲食店「喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが五
平方メートル以下である客席を設けて営むもの」 個室居酒屋等
4号 雀荘、パチンコ店「まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」
雀荘については▶雀荘を開業するために必要な許可、手続きをご参考にして下さい。
5号 ゲームセンター「スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある
遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設
(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技
をさせる営業(前号に該当する営業を除く。) カジノバー、ポーカーバー等
ゲームセンターについては▶ゲームセンターを開業する【許可・手続き】をご参考にして下さい。
上記のように、例えばキャバクラ営業は風営法の第2条第1項第1号に定められていることから「1号営業」とか「1号許可」と呼んだりします。
どの営業許可を取得したいのかによって手続きもルールも違いますので、何号の営業許可が欲しいのかを把握しておいて下さい。
管理者の選任
営業所における業務の実施を統括管理する者のうちから、管理者を1人選任しなくてはなりません。店長、支配人等を管理者に選任するのが一般的ですが、オーナーが業務の実施を統括管理するであれば、自身が管理者となっても構いません。
管理者は、法令の規定を遵守してその業務を実施するため必要な助言又は指導を行い、業務の適正な実施を確保するため必要な業務を行うものとされ、講習の受講義務があります。(管理者について、詳しくはこちら)
人的要件
申請者が次のいずれかの欠格事由に該当する場合は許可が受けられません。申請者が法人の場合は、役員のうちだれか一人でも該当すると許可が受けられません。
管理者も欠格事由に該当していると許可が受けられませんので、管理者選任の際は欠格事由に該当していないことを確認して下さい。
欠格事由
・ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
・ 1年以上の懲役もしくは禁錮の刑に処せられて、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過し
ない人
・無許可風俗営業、刑法の猥せつの罪、売春防止法、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律、職業安
定法、出入国管理及び難民認定法、労働基準法、児童福祉法違反で1年未満の懲役もしくは罰金の刑に処せられて、その執行を終わ
り、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない人
・集団的に、又は常習的に暴力的不法行為等を行うおそれのある者
・アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
・心身の故障により風俗営業の業務を適正に実施することができない者
・風俗営業の許可を取り消されて5年を経過しない者
・営業に関して成年者と同一の能力を有しない未成年者 など
その他、風営法第4条第1項に定められています。今までに逮捕歴が無く、交通違反以外で罰金を支払ったことが無い人ならば問題ありません。
また、申請人が外国人の場合は次のいずれかの在留資格が必要になります。
「日本人の配偶者等」「永住者・特別永住者」「永住者の配偶者等」「定住者」「経営・管理」
場所的要件
風俗営業ができる場所にも制限があり、大きく分けて「用途地域による制限」と「保全対象施設からの距離の制限」があります。
「用途地域による制限」
用途地域に「住居」という文字が入っている下記8種類の地域(住居集合地域)では、風俗営業をすることはできません。
ただし、例外として商業地域の周囲30メートル以内の住居地域(準住居地域を含む。)では深夜営業を行えます。
「第一種低層住居専用地域」
「第二種低層住居専用地域」
「第一種中高層住居専用地域」
「第二種中高層住居専用地域」
「第一種住居地域」
「第二種住居地域」
「準住居地域」
「田園住居地域」
「保全対象施設からの距離の制限」
「保全対象施設」から一定の距離内にある場所では風俗営業はできません。
神奈川県では学校、大学、病院、診療所(病床施設を有する)、児童福祉施設、図書館が「保全対象施設」です。都道府県条例によって定められますので、地域によって異なることがあります。
保全対象施設 | 商業地域 | その他の地域 |
学校(大学を除く) | 100m | 100m |
大学、図書館、児童福祉施設並びに病院及び診療所(患者を入院させるための施設を有するもの。) | 30m | 70m |
この保全対象施設の調査は、実際に地図を持ちながら自分の足で営業所から半径100mの範囲の建物を1件ずつ、複合ビル等は1室ずつ確認していきます。上図の通り第二種地域であれば保全対象施設までの最大距離は70mですが、「営業所周辺の概略図」という書類を作成するために半径100mまでの確認が必要になります。二度手間にならないように保全対象施設の調査時にあわせて「営業所周辺の概略図」を作成してしまうと良いです。
構造・設備的要件
次の各要件を満たしていないと許可を受けることができません。
風俗営業1号許可 (社交飲食店・接待飲食店)キャバクラ、ホストクラブ、料亭等
・客室の床面積を1室16.5㎡以上とすること。和室の場合は1室9.5㎡以上とすること。ただし客室が1室のみの場合は床面積の制限はあり
ません。
・客室の内部が店の外部から容易に見通すことができないものであること。
窓はカーテンやブランド等で対応できる場合もありますが、スモークフィルムの貼り付け等を求められることもあります。
カーテン等では、開けてしまえば外部から容易に見通せるという理由です。事前に警察署に確認しておくと良いでしょう。
ガラスのドアもフィルム等で対応して下さい。
・客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと
おおむね1mを超える間仕切りや衝立、観葉植物などを設けないようにしましょう。
透明なガラス板や水槽、隙間から向こうが見通せる格子状の物などでも1mを超えるような物は撤去を命じられる可能性が非常に高いです。
・善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
・客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。
個室等を設ける場合に、個室のドアに鍵をつけてはいけません。
・営業所内の照度が5ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
照度の計測は原則として、テーブル上やカウンター上の一番暗い部分で行います。
スライダックス(調光設備)の設置は認められません。
・騒音又は振動の数値が条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
風俗営業2号許可(低照度飲食店)
・客室の床面積は、1室が5㎡以上(客に遊興させる態様の営業の場合は33㎡以上)であること。
・客室の内部が店の外部から容易に見通すことができないものであること。
・客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと
・善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
・客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。
・営業所内の照度が5ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
・騒音又は振動の数値が条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
*説明は1号営業許可を参照にして下さい。
風俗営業3号許可 (区画席飲食店)個室居酒屋
・客室の内部が店の外部から容易に見通すことができないものであること。
・善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
・客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。
・営業所内の照度が10ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
・騒音又は振動の数値が条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
・長椅子その他の設備で専ら異性を同伴する客の休憩の用に供するものを設けないこと。
風俗営業4号許可 雀荘、(パチンコ店等)
・客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。
・善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
・客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。
・営業所内の照度が10ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
・騒音又は振動の数値が条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
*パチンコ店のみに該当する要件は省略してあります。
風俗営業5号許可 ゲームセンター、カジノバー、ポーカーバー等
・客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。
・善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
・客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。
・営業所内の照度が10ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
・騒音又は振動の数値が条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
・遊技料金として紙幣を挿入することができる装置を有する遊技設備や、客に現金、有価証券を提供するための装置を有する遊技設備を
設けないこと。
必要書類の準備
必要提出書類等一覧(警察署によって扱いが違う場合もあります。何を提出すべきかをしっかり確認して下さい。)
営業所の平面図等は状況に応じてA3の用紙でも構いませんが、他の作成書類はA4で統一して下さい。
・許可申請書
・営業の方法を記載した書類
・営業所の使用について権原を有することを疎明する書類(使用承諾書・賃貸契約書・建物の登記事項証明書等)
・営業所の平面図等(営業所平面図、営業所求積図、客室等求積図、音響・照明図)
・営業所周辺の概略図
・住民票(申請者、管理者の双方必要)
・身分証明書(申請者、管理者の双方必要)
・定款及び登記事項証明書(法人の場合)
・誓約書
・人的欠格事由に該当しないことを誓約する書面
・管理者が誠実に業務を行うことを誓約する書面
・管理者が人的欠格事由に該当しないことを誓約する書面
・管理者の写真2枚
・飲食店営業許可証のコピー
・メニュー表
・入居概況説明図
・1階概略図
・入居階概況略図
・営業時間を遵守することを誓約する書面
・申請手数料24,000円(パチンコ店を除く)
・パチンコ店の場合は、遊技機に係る検定通知書の写し及び保証書等
必要書類は以上になります。次に必要書類について個々に解説していきます。
必要書類についての説明
許可申請書(法定様式)
こちらからPDFファイルをダウンロードできます こちらからwordファイルをダウンロードできます
記入例その1(全申請者共通)
*記入例は、判り安くするために赤字で記入してますが、実際の記入は黒でして下さい。
記入例その2(風俗営業1号から3号までの申請者用)
記入例その3(風俗営業4号麻雀店申請者用)
備考
1 ※印欄には、記載しないこと。
2 「滅失により廃止した風俗営業」欄は、法第4条第3項の事由により滅失したために廃止した風俗営業に係る事項を記載すること。
3 「現に風俗営業許可等を受けて営む風俗営業」欄は、申請に係る営業所以外の営業所において当該申請に係る公安委員会から現に風俗
営業許可等を受けて営んでいる風俗営業で、当該申請の日の直近の日に許可を受けたものについて記載すること。
4 その2(A)は法第2条第1項第1号から第3号までのいずれかの営業について許可を申請する場合に、その2(B)は同項第4号の営業について許
可を申請する場合に、その2(C)は同項第5号の営業について許可を申請する場合に、その3は同項第4号の営業のうち法第4条第4項に規
定する営業(例、ぱちんこ屋)について許可を申請する場合に使用すること。
5 「建物の構造」欄には、木造家屋にあつては平家建て又は二階建て等の別を、木造以外の家屋にあつては鉄骨鉄筋コンクリート造、
鉄筋コンクリート造、鉄骨造、れんが造又はコンクリートブロック造の別及び階数(地階を含む。)の別を記載すること。
6 「建物内の営業所の位置」欄には、営業所の位置する階の別及び当該階の全部又は一部の使用の別を記載すること。
7 「照明設備」欄には、照明設備の種類、仕様、基数、設置位置等を記載すること。
8 「音響設備」欄には、音響設備の種類、仕様、台数、設置位置等を記載すること。
9 「防音設備」欄には、防音設備の種類、仕様等を記載すること。
10 「その他」欄には、出入口の数、間仕切りの位置及び数、装飾その他の設備の概要等を記載すること。
11 法第2条第1項第3号の営業にあつては、その2(A)の「各客室の床面積」欄には、各客席の床面積を記載すること。
12 その2(B)の「その他の遊技設備」欄には、まあじやん台及び法第4条第4項に規定する営業に係る遊技機以外の遊技設備について、
その種類、型式及び台数を記載すること。
13 その2(C)の「スロットマシン等」欄には、スロットマシンのほか、メダルゲーム機について記載すること。
14 その3の「備考」欄には、新品か中古品かの別を記載すること。
15 所定の欄に記載し得ないときは、別紙に記載の上、これを添付すること。
16 用紙の大きさは、日本産業規格A4とすること。
営業の方法を記載した書類(法定様式)
こちらからPDFファイルをダウンロードできます こちらからwordファイルをダウンロードできます
記入例その1(全申請者共通)
記入例その2(風俗営業1号から3号までの申請者用)
記入例その2(風俗営業4号の麻雀店申請者用)
備考
1 その1の「提供する飲食物の種類及び提供の方法」欄には、営業において提供する飲食物(酒類を除く。)のうち主なものの種類及び
その提供の方法(調理の有無、給仕の方法等)を記載すること。
2 その1の「提供する酒類の種類、提供の方法及び20歳未満の者への酒類の提供を防止する方法」欄には、営業において提供する酒類(ビール、ウイスキー、日本酒等)のうち主なものの種類、その提供の方法(調理の有無、給仕の方法等)及び20歳未満の者への酒類
の提供を防止する方法を記載すること。
3 その2(A)は法第2条第1項第1号から第3号までのいずれかの営業について許可を申請する場合に、その2(B)は同項第4号の
営業について許可を申請する場合に、その2(C)は同項第5号の営業について許可を申請する場合に使用すること。
4 その2(A)又はその2(C)の「料金」欄には、第34条の表の上欄に掲げる営業の種別に応じ、それぞれ同表の下欄に定める料金を
記載すること。
5 その2(A)又はその2(C)の「料金の表示方法」欄には、その2(A)又はその2(C)の「料金」欄に記載した料金を表示する
方法が第33条の各号のいずれに該当するかを記載すること。
6 その2(A)の「客の接待をする場合はその内容」欄には、接待の種類(談笑及びお酌、踊り、歌唱、遊戯等の別)及びこれを行う方
法(特定少数の客の近くにはべり談笑の相手となる、客と一緒に歌う等)を記載すること。
7 その2(A)の「遊興の内容」欄には、遊興の種類(ダンス、ショー、生演奏、ゲーム等)、これを行う方法(不特定の客に見せる、
聞かせる等。カラオケ、楽器等を利用して遊興をさせる場合は、その利用方法。)を記載すること。
8 その2(B)の「遊技料金の表示方法」欄には、その2(B)の「遊技料金」欄又は「ぱちんこ屋及び令第8条に規定する営業の遊技
料金」欄若しくは「その他の営業の遊技料金」欄に記載した遊技料金を表示する方法が第33条各号のいずれに該当するかを記載する
こと。
9 所定の欄に記載し得ないときは、別紙に記載の上、これを添付すること。
10 用紙の大きさは、日本産業規格A4とすること。
営業所の使用について権原を有することを疎明する書類(使用承諾書・賃貸契約書・建物の登記事項証明書等)
使用承諾書
使用承諾書は物件の所有者が、賃借人に対して風俗営業を営むことを承諾したことを証する書類になります。
転貸借の場合、所有者と賃貸人(転貸人)両方の使用承諾書が必要なことが多いです。警察署に確認して下さい。
法定様式はありませんので、ご自身で作ったものでも構いません。
以下に「使用承諾書」のテンプレートを用意しておきます。
こちらからPDFファイルをダウンロードできます こちらからwordファイルをダウンロードできます
記入例
事前に赤字の部分を記入しておき、承諾者に緑字の部分を記入、捺印してもらいます。
(説明の為に赤字等で記入していますが、実際は全て黒で記入して下さい。)
賃貸契約書
営業所の所在地、貸主、借主などを確認するために必要になります。
建物の登記事項証明書
建物の所有者、所在、構造などを確認するために必要になります。
営業所の平面図等(営業所平面図、営業所求積図、客室等求積図、音響・照明図)
図面作成にあたっては、実際にメジャー、レーザー距離計等を使って営業所や家具の寸法を計測し図面にしていきます。
不動産屋の間取り図や、内装業者の作成した図面等をそのまま使うことは出来ませんが、ある程度の参考にはなると思います。
手書きの図面は不可ということはありませんが、現実的にはCAD等の図面作成ソフトを使用することをお勧めします。
実地検査の際に図面の不備を指摘された場合にCADなら簡単に修正できますが、手書きだと1から書き直さなければならず、かなり時間と労力を消費することになると思います。
営業所平面図、営業所求積図
「営業所平面図」は、営業所の間取り図のような物に、更にイスやテーブル等の家具の配置やサイズを書き込んだ図面です。
内装や家具の配置が済んでいなければ図面作成は出来ません。実査の際に家具の配置と図面に違いがあれば図面の訂正になります。
実査後であっても家具の配置を変える場合には事後の届出が必要になります。
「営業所求積図」は営業所全体の面積を表わした図です。
営業所の範囲には、ベランダ、バルコニー、PS(パイプスペース)等の共用スペースは含みません。
逆に、庭や駐車場であっても営業所として一体利用されている場合は営業所に含まれることもあります。
また、壁の内側でも外側でもなく、壁芯といって壁の中心線(上記図の青い線)で囲われた部分を営業所の範囲とします。
営業所に含む含まないの選択が間違っていれば、図面の作り直しになってしまいますので気を付けて下さい。
客室等求積図
「客室等求積図」は客室、調理場、その他の面積を表わした図です。
客室と調理場は、「営業所平面図」と違い、壁の内側で囲われた部分の面積(内法面積)になります。
上記「営業所平面図」の赤い線で囲われた部分客室で、緑の線で囲われた部分が調理場です。この色付けは、ここでの説明の為に判りやすくする為のものではなく、実際に提出する図面でも、営業所は青い線、客室は赤い線、調理場は緑の線で囲うことになっています。
営業所面積から客室と調理場の面積を引いたものが、その他面積になります。
客室の範囲とは、客が飲食や遊興のために実際に使用する範囲で、従業員のみが使用する範囲は含みません。
通路やトイレは、客が飲食や遊興のために使用するわけではないので客室には含みません。また柱部分や、従業員のみが使用するショー等のステージ部分も含みません。カウンターは客が飲食に使用する部分なので原則として客室に含まれます。
調理場の範囲とは、あくまで調理を行う場です。食材や酒類を収納する倉庫などは調理場には含みません。
音響・照明図
「音響・照明図」は、営業所内の照明や音響設備の設置場所、種類や仕様、数を表わした図です。
営業所周辺の概略図
くわしくは▶営業所の周囲の略図
「営業所周辺の概略図」は営業所から100m以内にある保全対象施設などを地図上に表示した図です。
*図中の施設の名称、場所等は架空のものです。
本来は上記凡例の通りに地図に色付けします。
住民票
申請者、管理者の双方の住民票の提出が必要です。法人申請の場合は、役員全員の住民票の提出が必要です。
本籍が記載されていて、発行後3か月以内のものである必要があります。
外国人の場合は国籍、在留資格、在留カードナンバー、在留期限の記載が必要です。
身分証明書
運転免許証やパスポート等の身分証明書のことではありません。後見登記、破産宣告の通知を受けていないことを証明するもので、本籍のある市区町村役場に請求することができます。。本籍地が遠方な場合など、郵送による請求も可能です。
申請者、管理者の双方の身分証明書の提出が必要です。法人の場合は役員全員の身分証明書の提出が必要です。
外国人の場合は在留カードのコピー(裏、表とも)を代わりに提出します。
定款及び登記事項証明書(法人の場合)
定款の写しに現在証明を付けます。現在証明は、定款の余伯や別紙(割印、製本した場合は割印が必要)に、「現在の定款の写しに相違ありません。」「年月日」「法人住所、名称」「代表者役職、氏名」の記載と法人の実印の押印が必要です。
登記事項証明書は現在事項証明書ではなく、履歴事項全部証明書が必要です。
誓約書
申請者、管理者が人的欠格事由に該当しないことを誓約する書面と、管理者が誠実に業務を行うことを誓約する書面があります。
法定様式はありませんので様式は自由です。一般的な様式の物をアップロードしておきます。
こちらからPDFファイルをダウンロードできます こちらからwordファイルをダウンロードできます
個人の場合、個人用の誓約書に必要事項を記入します。
法人の場合、法人用の誓約書に役員全員が必要事項をそれぞれ記入します。1枚の誓約書に役員全員が連名で署名、捺印してもよいですし、各自が1枚ずつに署名、捺印してもよいです。
個人法人問わず管理者が、管理者用その1,その2の誓約書に記入します。
「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第4条第1項」には人的欠格事由の定めがありますので、
自身がこれらに該当しないことを誓約します。
管理者の写真2枚
管理者証に使用される写真です。申請前6月以内に撮影した無帽、正面、上三分身、無背景の縦3.0センチメートル、横2.4センチメートルで裏面に氏名及び撮影年月日を記入したもので、カラーでも白黒でも構いません。
飲食店営業許可証のコピー
通常は飲食店営業許可証のコピーを提出しますが、保健所の実地検査をクリアしても、飲食店営業許可証が交付されるまで1週間程度かかってしまいます。
少しでも早く風俗営業の許可申請をしたい場合は、保健所からの「申請証明」で申請を受理してもらえることもあります。
事前に保健所と警察署に確認しておくと良いです。
メニュー表
許可申請の時点ではメニュー表はまだ出来てない場合が多いと思います。ひとまず簡易的なメニュー表を作成して提出すれば受理されることが多いですが、実地検査時までにはしっかりとメニュー表を作成しておいて下さい。風営法で、料金を客のみやすいように表示する義務が定められています。
警察署によっては、ボトルやショットの内容量の記載まで求められることもあります。
入居概況説明図
営業所が入ってるビル等の、テナント一覧表みたいなものです。法定様式はありませんので、簡単にわかりやすく作れば良いと思います。
各階ごとにテナントの屋号を記載し、申請店舗を赤枠で囲い「申請店舗」と記載します。
1階概略図
営業所が入っているビル等の1階の見取り図です。正確な計測は不要で、建物の入り口、階段やエレベーター、テナントの位置がわかれば大丈夫です。
入居階概略図
営業所が入っている階の見取り図です。1階概略図と同じ様な感じで作ります。
申請店舗の範囲を赤枠で囲い「申請店舗」と記載します。
営業時間を遵守することを誓約する書面
既出の誓約書とは違い、法定書類ではありませんが、地域によって提出を求められる場合もあります。
以下に「営業時間を遵守する誓約書」のテンプレートを用意しておきます。
こちらからPDFファイルをダウンロードできます こちらからwordファイルをダウンロードできます
申請~実査
申請手数料24,000円
提出書類に不備が無く申請が受理されると、申請手数料を納付することになります。
現金で用意しておいて下さい。
実査の予約~実査
実査とは、浄化協会や警察署の人が実際に営業所に訪れ、構造設備等に不備はないか?提出書類と違うところは無いか?の確認や、風俗営業をしていくうえでの注意点の説明等を行うことです。
申請手続きが済んだら、実査の日程を予約します。申請から早くても1週間、ほとんどの場合2週間程度後になります。
実査での主なチェックポイントと準備
・構造・設備的要件を満たしているか
・外から客室内が見えないか
・客室内に見通しを妨げる設備は無いか
・店内にへんな広告やポスターは無いか
・調光設備(スライダックス)は付いて無いか
・防音対策はとられているか、、、等
・提出図面と現場に相違はないか
・寸法や面積に間違いないか(浄化協会員が実際に計測して確認します)
・テーブやイスが図面通りに配置されているか
・照明や音響設備が図面通りに配置されているか(ワット数等も図面通りか確認される場合もあります)、、、等
・その他の準備や掲示
・店舗の入口に「18歳未満立ち入り禁止」の掲示
・店内に「20歳未満のお客様への酒類提供はいたしません」という掲示
・店内の客の見やすいところに料金表の掲示
・従業者名簿の用意
・迷惑行為防止措置(午前0時以降も営業する店舗のみ)
・苦情処理に関する帳簿の用意(午前0時以降も営業する店舗のみ)
その他の準備や掲示について少し説明します。
・店舗の入口に「18歳未満立ち入り禁止」の掲示
・店内に「20歳未満のお客様への酒類提供はいたしません」という掲示
風営法では18歳未満者の接待飲食店への立ち入りを禁止しています。
ホームセンターやネット通販で、プレートやシールが販売されてます。立ち入り18禁、飲酒20禁という内容であれば、一言一句決められている訳ではありませんので気に入ったデザインのものを購入または自作して下さい。
・店内の客の見やすいところに料金表の掲示
申請時は仮のメニューでも大丈夫ですが、実査時には実際に営業に使うものを店内の見やすいところに掲示しておいて下さい。
・従業者名簿の用意
従業者名簿とは、従業者の必要情報をリスト化したもので、風俗営業者が作成、保管しておくものです。
法定様式はありませんが、必須の記載事項が定められていますのでテンプレートを使用することをお勧めします。
実査の時点では採用が決まっておらず従業者がいないような場合は、未記入の用紙だけでも準備しておいた法が無難ですが、
パソコンによる管理も認められていますのでその場合は、いつでも表示、印刷できるようにしておいて下さい。
試験的な採用や短期間の採用であっても名簿の作成が必要で、従業者の退職後3年が経過するまでは、名簿を保存しておかなくてはいけません。
客に接する業務を行う従業者については、生年月日、国籍を法定の書類により確認し、その写しを保存しておかなくてはなりません。
以下に、「従業者名簿」のテンプレートを用意しておきます。
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迷惑行為防止措置(午前0時以降も営業する店舗のみ)
午前0時以降も営業をする店舗では、以下の迷惑防止措置を講じる必要があります。
・営業所の周辺において他人に迷惑を及ぼしてはならない旨を記した書面を、営業所の見やすい場所に掲示する。又は交付する。
・営業所の周辺において他人に迷惑を及ぼしてはならない旨を口頭や音声で知らせる。
・泥酔した客に対して酒類を提供しないこと。
・営業所内や営業所の周辺を定期的に巡視し、営業所の周辺において他人に迷惑を及ぼす行為を行ったり、行うおそれのある客がいな
いかを確認すること。また、そのような客に対して行為を取りやめるように、行為を行わないように求めること。
・これらの措置が適切に行われるように、営業者や管理者が従業員を教育すること。
以下に「営業所の周辺において他人に迷惑を及ぼしてはならない旨を記した書面」のテンプレートを用意しておきます。
実査の際には、店内の見やすい場所に掲示しておいて下さい。
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苦情処理に関する帳簿の用意(午前0時以降も営業する店舗のみ)
午前0時以降も営業をする店舗では、苦情処理に関する帳簿を用意する必要があります。
苦情処理に関する帳簿には、以下の内容を記載する必要があります。
・苦情を申し出た者の氏名及び連絡先(氏名又は連絡先が明らかでない場合は、その旨)並びに苦情の内容
・原因究明の結果
・苦情に対する弁明の内容
・改善措置
・苦情処理を担当した者
また、苦情があった日から3年間は保存しなくてはなりません。
以下に「苦情処理に関する帳簿」のテンプレートを用意しておきます。
実査の際には、この用紙を用意しておいて下さい。
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実査は店舗の規模にもよりますが、1時間はかかると思って下さい。
実査が終わると、あとは許可か不許可かの連絡を待つだけです。
提出書類に不備がなく、実査でも問題がなければ、申請から55日以内に許可がおります。
営業許可
許可の連絡がきたら、その日付と許可番号をメモして保管しておいてください。
許可から許可証を受領する前に営業を開始する場合はこのメモが許可を受けている証拠になります。万が一にも無許可営業を疑われないために重要です。
営業許可証を受領したら、原本を営業所の見やすい場所に掲示してください。許可証の掲示義務違反は30万円以下の罰金となりますのでご注意下さい。
また、営業許可証の内容に変更が生じた場合や、廃業する場合にも手続きが必要になります。
▶風俗営業許可取得後の「変更承認申請」「変更届」と「廃業届」